no movie no life//映画を見て思ったことをつらつらと・・・。ネタバレです。
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2008/05/26 (Mon) イースタン・プロミス(07・英・カナダ)

 一言で表すなら、「地と血の呪縛」を描いた物語だ。


 

 地…それは彼らの母国、ロシアを指す。英国・ロンドンという異国にいながらも、意識・無意識のうちに「ロシア」に囚われていく。レストラン経営を隠れ蓑に人身売買組織として暗躍するロシアン・マフィア。異国に希望を見出して家出した少女。ロシア人の父を持ち、父の弟夫婦と暮らすアンナ。
 そして、彼らを縛る血の繫がり。ロシアン・マフィアの父子、アンナと叔父、タチアナと娘クリスティ-ナ、そしてクリスティーナの父親。断ち切ることの出来ない繫がりであるがゆえに、時として、理屈では解決できないほどの愛憎が交錯する。
 ところが、マフィアの「運転手」ニコライは、ロシア人ではあるものの、何かに帰属しようとしない、どこか異質で超越した存在として描かれる。体に施された数々のタトゥーや、死体を処理する冷徹さの一方で、アンナやマフィアの息子、娼婦たちの傷にそっと寄り添う、人間らしい優しさを秘めている。
 縛りの中で葛藤する人間が抱える、悲哀、孤独はやがて、陰鬱な悲劇へと加速してゆく。クローネンバーグ監督が描く暴力シーンは思わず目を背けたくなるほど徹底している。
 しかし、暗闇の中にも希望が見出せないわけではない。タチアナの娘、クリスティーナという無垢な存在の尊さだ。血の繫がりのないアンナ、クリスティーナ、ニコライの三者が寄り添う場面が最もふさわしい「家族」に見えるのは皮肉だかもしれない。…しかし、「呪縛」から解き放たれた風景は、こんなにも美しいのだと思わせてくれる。

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「イースタン・プロミス(EASTERN PROMISES)」映画感想
ロード・オブ・ザ・リングのキャプテンアラゴルン、キングテレコンタールことヴィゴ・モーテンセンがアカデミー主演男優賞にノミ //Wilderlandwandar 2008/06/15 21:31

「イースタン・プロミス」  EASTERN PROMISES
なんだ、なんだ、このまるで早川書房の上質なポケミスを読んでいるようなワクワクさせてくれる面白さは! 前作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に引き続きのヴィゴ・モーテンセンとコンビを組んだ今回の作品、前作にもましてデヴィッド・クローネンバーグ監督らしい変 //俺の明日はどっちだ 2008/09/09 00:35

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