no movie no life//映画を見て思ったことをつらつらと・・・。ネタバレです。
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2008/09/06 (Sat) TOKYO!(08・仏・日・韓)

TOKYO?


M・ゴンドリー、L・カラックス、そしてポン・ジュノ。3人の監督が描いたTOKYOのオムニバス映画。個性的かつセンセーショナルなのでこれは賛否分かれそうだなあ、と思うけれど、納得できる部分もあり。「日本の中の圧倒的な都会」であり「日本そのもの」でもあるTOKYO。案外、日本人気質を言い当ててるのではないか?と、思ってみたりする。

M・ゴンドリー:インテリア・デザイン
友人を頼って東京にやってきた恋人たちは、思い描いていた未来から少しずつズレていく。家探し、職探し、揚句の果てに車まで取られてしまう。友人とも、そして2人の仲もギクシャクしていく。いつしか女は自分が無用なものになっていくことに恐れ、人間であることよりも椅子になる。椅子ならば、ただそこにいるだけで役に立つことができるから。椅子になることで自分の存在価値を見出すというのは突飛だけど、必要とされる安心感の究極の形かもしれない。田舎から都会に出てきて感じる喪失感、「何でもあるけど何にもない」と言う感覚は、きっと東京だけではなく世界共通のものと思うけど、これがゴンドリー流なんだろうな。でも、どうしても江戸川乱歩の『人間椅子』(ズバリだな)を思い出す…。

L・カラックス:メルド
フランス語で「糞」と言う意味だと言うから驚く。異星人とも言えるような、この物語の主人公、メルド。「臭いものには蓋をする」と言う言葉があるが、この主人公はまさにその「臭いもの」だ。地下のマンホールに巣食い、太平洋戦争の日本軍の遺物に囲まれ、わけのわからない言葉を話し、人々を襲い、裁判にかけられ、死刑になる。日本人が嫌悪感を抱くもの、避けたいもの、タブー=糞なのだ。例えば、戦争。例えば、言葉のわからない異質な外国人。例えば、死刑(制度)。例えば、過熱する報道や、宗教に踊らされるような全体主義的感覚。例えば、人が死ぬところをケイタイで撮影する感覚。だからこの映画を見ていると非常に嫌な気分に襲われる。よくぞここまで!と逆に感心してしまう。でもって、メルドはどこの国でも、誰の中にも存在するのだ。

ポン・ジュノ:シェイキング東京
日本、特に東京は「おひとりさま」で生活しやすい国だと監督は語る。どこに行くにしてもペアが基本の外国人から見れば、「ひきこもり」というのはとても特異なものなのだろう。確かに、現代日本はお金と電話(パソコン)さえあれば家から一歩も出ずに生きることは技術的には可能だ。そして精神的にも可能になりつつある。他人に関心を抱くことなく、傷つくこともなく、自分の家や生活スタイル=自分の世界観を完璧に作り上げ、それで満足する。「和をもって尊しとなす」日本人は、もはや調整型の和をやめ、むしろ孤独でいるほうを好む。ある意味ゴンドリー作品とは対照的だ。
そんな人間が引きこもりをやめたいと思うほどの衝撃って何か?・・・となると、天災(地震)か恋愛だ、というのが妙に納得。だから、蒼井優の存在は、この短編の、と言うよりこの映画全体のとてつもない「救い」に見える。この点では、カラックス作品の毒とは逆のものが流れている。何年と人の顔を見ずに生活してきた男が、ピザ屋の女のガーターベルトについ目がいく。パソコンの「起動」マークがあれば思わず押してみたくなる。強い地震があれば怖くなって家から飛び出てしまう。…そんな人間らしい感情が、なんだかとても新鮮でうれしくなった。

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コメントありがとうございます~

>migさん
あれれ、TB行ってなかったんですねーゴメンナサイ。
ゴンドリーの新作、ジャックブラックのあれですね?予告編で見て、面白そうって思いました。migさんの感想楽しみにしてます!

都市について映画を作るって、なかなかできないことですよね。
そのときにTOKYOにいるということも、運みたいなものだなと思います。


>かのんさん
そうですねー、いつも見ている日本の俳優が違うように感じました。
蒼井優ちゃんはよかったですね!ガーターベルトにもやられましたが・・・笑

>睦月さん
お久しぶりです。仕事は、バイトですが何とかやってます~
たぶん多くの人が乱歩の作品を思いだしてましたよね。ゴンドリー、乱歩を知ってるのかな?と思いました。ホントはどうなんでしょう??

個性的な監督たち、特にカラックスは超久しぶりのメガフォンなわけですが、ホント光栄なことですよね★

2008/09/08 22:39 | カオリ [ 編集 ]


こんにちわ

ご無沙汰しておりましたー。
お仕事、順調ですか?

インテリア・デザインはやっぱり人間椅子を思い出しますよね(笑)。

個性的な監督3人が集結して、TOKYOを舞台に映画を撮ってくれる
だなんて、こんな光栄なことはないっすよねえ♪
彼らの目に映る東京という大都会を、映画として楽しめたことが
とても有意義でございました。

2008/09/08 14:57 | 睦月 [ 編集 ]


こんばんわ

W??P?てるはずの東京の街や日頃から親しんでる俳優たちが異国の映画監督たちのセンスでとても新鮮に感じられる作品でした。蒼井優ちゃんのあの存在感はホントに天使みたいでしたね。

2008/09/07 22:55 | かのん [ 編集 ]


カオリさんこんばんは★

TBが届いてなかったみたいです。

ミシェルゴンドリーのはすごく らしい なって思いましたね。
来週、ゴンドリーの新作を観て来ます♪

東京を舞台にして世界の監督が撮るとう企画自体、素晴らしいし
興味深いですよね★

2008/09/06 21:50 | mig [ 編集 ]


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