no movie no life//映画を見て思ったことをつらつらと・・・。ネタバレです。
--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2008/09/10 (Wed) この自由な世界で(07・英・伊・独・西)

ケン・ローチ監督。彼はいつも、生きようと必死にもがく人間に目を向ける。

理不尽な理由で仕事をクビにされたシングルマザーのアンジーは、ロンドンにあふれる移民を事業所に斡旋・派遣する会社を友人と共に立ちあげる。懸命に働いた努力が報われ会社は軌道に乗りだすが、彼女は不法入国の移民を働かせる「違法行為」に手を染めようとしていた…。

「何をやっても自由なのよ。」
自由と言う言葉は、諸刃の剣だ。何をやっても自由だが、その裏には自己責任という言葉がついて回る。失敗すれば「自業自得」。

彼女はそんなに大きな富を求めたわけではない。息子と、人並みの生活を送ることができれば満足だったはずだ。実際、最初は「不法行為はやらない」と一笑に付している。忠告する人間もいた。それが、いつしか一線を越える・・・法を犯す。なぜ、ボーダーラインを越えてしまったのだろう?単にお金のためなのか?

…自由主義という名の弱肉強食の世界に、彼女も呑まれてしまったのだ。

彼女は、自分のためだけに違法行為に手を染めたのではなかったと思う。もうすこし枠をはずせば、自分も彼らも、家族と離れ離れになることなく小さな幸せをつかむことができるのではないか?「違法」という隣家の庭に足を踏み入れたけれど、まずくなったらいつでもその足を引き抜けばいい…。

でも、風向きが悪くなると、歯車は弱いものを押しつぶすかのように動き出す。労働者への賃金は不払いが濃厚になると、アンジーは搾取する側の顔を明確に持ち始める。かつてはアンジーも一労働者だったはずなのに。

罪を犯した彼女には、報いが待っていた。
…でも、彼女はそこでとどまらない。なぜなら、彼女もまた生きていかねばならないから。

怖いと思った。アンジーが特別な存在なのではない。人をそうまでさせてしまうこのからくりが怖い。「生きるためには仕方ない」と思わざるをえない境地が怖い。人間は自分が生きるために他者を犠牲にし、時に罪を犯し、負のスパイラルに陥っていく。

最初から決められたパイを力で奪い合うという世界では、人は幸せになれないとわかっていても…。

原題は「It’s a free wolrd…」。自由だけれど無統制な世界。日本だってもちろん例外ではない、この世界。タイトルにこめられた意味を、考えずにはいられない。

スポンサーサイト

か行 | trackback(7) | comment(6) |


<<落下の王国(06・米) | TOP | デトロイト・メタル・シティ(08・日)>>

comment











管理人のみ閲覧OK


>margot2005さん

コメントありがとうございました!早くもマイベストですか~。
ラストの展開はさすがケン・ローチ監督でしたね。唸ってしまいました。
アンジーの父の視線が人間の良心のような気がしました。

2008/09/18 23:49 | カオリ [ 編集 ]


こんばんは!
TBありがとうございました!
この作品とてもインパクトありました。今年度のマイ・ベストに入れたいです!
労働力を確保するため、英国やイタリアは昨今イスラムや東ヨーロッパからの移民が多いようですね?
アンジーの生き方には賛同は出来ませんが、なんか共感はしてしまいそうでした。
人間を描く事にかけてはケン・ローチは素晴らしい才能を発揮する、素晴らしい!監督だと思います。

2008/09/18 21:34 | margot2005 [ 編集 ]


コメントありがとうです!

>MANAMIさん
切実さが、時として人を傷つけることもいとわなくなるのですね。
アンジーの気持ちもわかる分、切ないですね。

>風情♪さん
自由って難しいですよね。選択肢がある分、人は悩むし・・・
かけがえのないものを失ってからでは、遅すぎることもありますね。

>えいさん
聖域なき改革の影響が如実に出ている中で、日本でも他人事とはいえませんね。外国人労働者の問題もしかり・・・
ホント、もっと話題になってほしい映画です。


2008/09/11 23:51 | カオリ [ 編集 ]


いまの日本との共通項

こんにちは。

テンプレート変えられたんですね。

この映画が言わんとしていることは
決して今の日本とは無縁でない、
そう思えてなりませんでした。

もっと話題になってほしい映画です。

2008/09/10 20:58 | えい [ 編集 ]


こんにちは♪

「自由主義」のホント意味合いはこう言うことなの?
と問われ考えさせられる作品でもした。

>罪を犯した彼女には、報いが待っていた
金を奪われたり、暴力を振るわれるだけなで済む
ならいいですが、アンジーには家族や友人を失う
ことの重大さにもっと真剣に考えて欲しかったです♪
(゚▽゚)v

2008/09/10 11:26 | 風情♪ [ 編集 ]


コメント&TBありがとうございました。こちらからも、TBさせていただきます。

「生きていくためには仕方ない」この切実な想いが、時として、いかに人を残酷にさせていくか...それが切なかったです。観終えて、重い気持ちが残りますが、多くの人に勧めたい作品ですね。

2008/09/10 06:38 | MANAMI [ 編集 ]


trackback

trackback_url
http://ludwig0306.blog50.fc2.com/tb.php/63-e7e66414

『この自由な世界で』
ケン・ローチの鉄拳。 ロンドンに暮らすシングルマザーのアンジーは会社を解雇され、友人と事業を始めることにした。自由=FREEDOMという言葉は大好き。それは人間が持つ当然の権利だと思っていた。だけど、このタイトルに清々しいイメージを抱いていた私は、自分の単純... //かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY 2008/09/10 01:12

この自由な世界で
シングルマザーのアンジーは、外国人労働者に仕事を斡旋する事務所で働いていましたが、突然、クビにされてしまいます。子どもを抱え、借金まで抱える彼女は、これまでのノウハウと経験を生かして、自分で職業紹介所を立ち上げます。親友のローズを共同経営者とし、移民労... //日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~ 2008/09/10 06:23

『この自由な世界で』
(原題:It\'s a Free World) ----これ、ケン・ローチの映画だよね。 以前、誰だったか ケン・ローチのこと「イギリスの山田洋次」と 言っている人、いなかった? 「う~ん。 確かに、彼の作品は労働者階級に スポット当てていることが多いからね」 ----これもそうニャの... //ラムの大通り 2008/09/10 08:13

この自由な世界で/カーストン・ウェアリング
私の大好きなケン・ローチ監督の最新作です。マイノリティら社会的弱者に焦点を当ててきた監督が今作で主人公に据えたのは移民の女性。資本主義の社会構造の中で、ただ生きていく事に必死なだけの人々が追い詰められ悪意の無いまま道を踏み外してしまいます。自由とは何な... //カノンな日々 2008/09/10 09:33

この自由な世界で
 イギリス  ドラマ  監督:ケン・ローチ  出演:カーストン・ウェアリング      ジュリエット・エリス      ジュリエット・エリス      ジョー・シフリート 【物語】  一人息子のジェイミーを両親に預け、職業紹介所で働くシングルマザー の... //江戸っ子風情♪の蹴球二日制に映画道楽 2008/09/10 11:18

「この自由な世界で」これが自由なのか
監督 ケン・ローチ「麦の穂をゆらす風」の名匠ケン・ローチの新作はやはり期待を裏切らなかった。少しあらすじ シングルマザーのアンジー(カーストン・ウェアリング)はセクハラ上司に恥をかかせた後、人材派遣会社を解雇される。そして親友のローズ(ジュリエット・エ... //ももたろうサブライ 2008/09/10 19:56

「この自由な世界で」
「It\'s a Free World...」2007 UK/ドイツ/イタリア/スペイン/ポーランド 監督は「やさしくキスをして/2004」「明日へのチケット/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」のケン・ローチ。 脚本はケン・ローチ作品でおなじみのポール・ラヴァーティ。 主演のアンジーに... //ヨーロッパ映画を観よう! 2008/09/18 21:25

| TOP |

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

プロフィール

管理人:カオリ

ludwig0306

Author:ludwig0306

山形出身、現在は東京都在住です。観た映画のレビューなどをつらつらと。

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

コトコトのヒトコトNo201R

今日のヒトコト

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。