no movie no life//映画を見て思ったことをつらつらと・・・。ネタバレです。
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2008/09/15 (Mon) イントゥ・ザ・ワイルド(07・米)

Alone!からLonely、そしてShareへ。

1992年8月、アラスカの地で餓死した青年の遺体が発見される。裕福な家庭で育ち、大学を卒業したばかり、前途洋洋と思える青年クリスがたどった一人旅の真実とは?ジョン・クラカワーのノンフィクション『荒野へ(INTO THE WILD)』の映画化。俳優ショーン・ペンが青年の遺族を説得し、10年の歳月をかけて作り出した渾身の作。

大学を優秀な成績で卒業したクリスは、自分の義務は果たしたと言わんばかりに、用意周到に準備をし、旅を決行する。IDカードを燃やし、青年はアレックスと名乗って北へ、アラスカの荒野を目指す。

社会を批判し楽園を探す旅に出ながらも、文明から抜けきれない青年たちを描いた「ザ・ビーチ」とイメージがダブるかもしれないが、クリスが目指したのは楽園ではない、原始の世界ともいえる本当の荒野だ。彼は徹底して恵まれた環境、お金、クルマ、現代社会の産物たる豊かさと便利さ、ほとんどのものを捨てた。両親への苛立ちや社会への怒りが彼を駆り立てる。太古の自然に身ひとつで挑み、自分の生、存在を実感したかった。欲しいのは、真実だけだった。

旅を続ける中で、彼はいろんな人間と交わっていく。しかし、決してとどまることをしない。「人間関係だけが人生の楽しみじゃない。神様は、世界のいろんなところに、楽しみをおいていてくれる。」

ようやくたどり着いたアラスカで、彼は荒野にぽつんと置いてある不思議なバスで寝泊りを始めた。狩りをし、魚を釣り、準備していた米を料理し、本を読み、手記をしたためる。しかし、やがて想像を絶する困窮、飢えが待っていた。狩りに失敗し、濁流に阻まれ、毒を持つ野草を食し、衰弱していく。手記の言葉にも変化が現れる。アラスカにたどり着いた当初は「一人」と言うことに喜びを見出していた。「alone!」である。しかし、それがいつしか「lonely」になる。そして…命の危機に瀕したとき、彼は「真の幸せが現実になるのは、誰かと分かち合えた(share)ときだ」という言葉を綴る。これこそが、極限の果てに彼が見出した真実だ。

彼はアラスカの地で果てることを希望していたわけではない。でも、無力な人間がたったひとりで生きていけるほど、荒野は甘くはなかった。彼にはもはや立ち上がる力は残っていない。けれど、彼の心に後悔は浮かんでこない…。そしていよいよ命の灯火が消える。

主役を演じたエミール・ハーシュの体当たりの演技は賞賛に値する。彼の表情や体が精悍になり、野生に変化していくさまが刻々とわかる。餓死する前に至っては、18キロの減量をしたそうだ。彼なくしてこの映画の成功はありえないだろう。

映画には、アメリカの格差社会や闇の部分、当時の大統領(ブッシュ)のスピーチ映像なども挿入される。個人が幸福になるのに難しい世の中だが、青年は厭世的になっているのでは決してない。「考え方を変えろ、新しいルールを作るんだ」…ショーン・ペン監督が、この映画にこめたメッセージがずしりと胸に迫る。

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>はらやんさん

彼にはいろんな手が差し伸べられていたけれど、それをはじいてしまったのも若さゆえでしょうか・・・
もしも彼が生きて帰ることができたら、どんな人生が待っていたのでしょうね。



2008/09/22 22:09 | カオリ [ 編集 ]


>migさん

こんばんは~ラスト・・・実話と言うのが凄いですよね。
私も、章立てになっていたせいか、長さもあまり感じませんでした。
E・ハーシュもいきなり凄い作品出でましたね。




2008/09/22 22:01 | カオリ [ 編集 ]


カオリさん、こんにちは!

そうですね、確かに彼は孤独というものの本質を見たかったのかもしれません、
しかしああまでしなくてはわからないものでもないような気もします。
都会は十分孤独だから。
ま、こういう目線で見てしまうのも自分が年を重ねてしまったからなのかもしれません。

2008/09/21 05:57 | はらやん [ 編集 ]


こんばんは、カオリさん★

こちらは実話ということでかなり興味深くみてしまいました。

普段なら長い!と思う長さだけど不思議とじっくり観られました。
ラスト悲しすぎますね、、、、

2008/09/19 22:36 | mig [ 編集 ]


駆り立てたもの・・・

>はらやんさん
コメントありがとうです!
うーん、彼の性格的に、自分で身を持って経験しないと納得しないタチだったのかな?とも思いました。まあ、真の孤独って現代社会ではもうあのレベルに行くしかないのかも知れませんね・・・
でも、彼をそこまで駆り立てたものが、なんとなくわかる気がします。

2008/09/18 00:33 | カオリ [ 編集 ]


こんばんは

カオリさん、こんばんは!

なるほどaloneとlonelyか・・・。
やはりlonelyの方が孤独感強いですよね。
けれどいかんせんクリスはshareすることが喜びということに気づくのが遅すぎました。
旅の途中で出会う人たちも、彼にそういうことを求めていたのに。
彼は自分のことしか見えていなかったように思えました。
若さ故なのかもしれませんけれど。

2008/09/15 20:02 | はらやん [ 編集 ]


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