no movie no life//映画を見て思ったことをつらつらと・・・。ネタバレです。
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2009/01/26 (Mon) レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで(08・米・英)

「タイタニック」の主演2人が、今度は夫婦の危機を演じる・・・という触れ込みは、ファンでなくても注目するだろう。
ところが、ふたを開けてみると、物語は「夫婦の倦怠期」というほど単純ではなかった。

1950年代のアメリカ。大きな夢を抱いていた青年フランクと女優志望のエイプリルは惹かれあい結婚。しかし、数年が経ち今はそれぞれストレスを抱えている。それは、思い描いた未来と現実のギャップだ。レボリューショナリー・ロードの家を手に入れ、2人の子どもがいて…傍から見れば、誰もがうらやむような「順調な」暮らし。しかしその生活は、彼らにとっては平凡で、退屈で、忍耐でしかなかった。我慢するには人生はあまりにも長い。そして、行き場のない感情が2人の関係を常に緊張状態にし、喧嘩を連発させる。

そこで彼らは、若いころに夢を抱いていたパリへ行けば、活路を見出せるのではないかと考えた。それは周囲から見れば、計画性のない突飛なもの。しかし、周囲が反対すればするほど、二人の決意は強く結束していく。もはや駆け落ちするカップルのような心境かもしれない。「自分たちは特別な夢がある。だからこの平凡な生活から抜け出すんだ。」という、彼らの高揚感は徐々に高まる。だから性的にも絶頂に達することもある意味当然だった。彼らに怖いものはない。そんな満足感に、久しぶりに包まれる。

しかし、皮肉にもフランクは仕事で認められ、昇進の機会に恵まれる。その途端、彼の中で何かが変わる。自分が認められたということが、素直にうれしいのだ。今まで彼が意識していなかった、自分の存在価値。この世界で生きていくことも、そう悪いことではないのではと思い始めた。それは、彼を責めるべきものではない。ただ、そういうタイミングだったということだ。

一方、思いもかけないことがエイプリルを襲った。妊娠だ。
妊娠が「ペナルティー」とか「義務を果たす」くらいにしか思えない場合もあるかもしれない、と思う。子供が嫌いなわけではないだろう。育児も放棄しているわけではない。でも、彼女にとって、妊娠とは自分の人生を中断する、もしくは邪魔するものでしかなかったのではないか?3人目の妊娠は明らかにパリ行きを阻んでいた。彼女の中ですべてが崩れていく。…結局彼らは現実的な選択として、渡欧をあきらめ、レボリューショナリー・ロードにとどまることを決める。

しかし、ひとつのことをきっかけに2人の関係は破綻する。「話し合おう、そうすればうまくいく」といったスタンスがここでは互いに傷つけあうことにしかならなかった。彼らは自分の思いを吐き出し、とうとうフランクは、エイプリルには言ってはならないことを言ってしまう。それは、もう元には戻れない決定打だった。

翌日の朝食は、嵐の前の静けさ。「仕事がんばってね。あなたは、認められたんだから。」というエイプリルの言葉が胸に突き刺さる。自分は認められるどころか、おなかの子ともども否定されてしまったのだ。しかし、彼女の真意に全く気づかず、朝食を楽しむフランク。彼は、きっと永遠に気づかないのだろう…。彼女の決意は揺るがなかった。あとは、最悪の方向に向かっていくだけだ。

この映画は、「夫婦」のあり方を描いた、極端な例と言えるかもしれない。
でも、自分の人生をどこでどう折り合いをつけていくかということは、夫婦に特化したことではない。多かれ少なかれ、誰にでも訪れることじゃないだろうか?彼らの心情には共感できるものも多い。そして人生に起こるひとつひとつの出来事にどう対峙していくか、危機とするのか転機とするのかは、自分の選択次第だ。

ケイト・ウィンスレットは本作でゴールデン・グローブの主演女優賞を受賞。エイプリルの気の強さ、すべてのことに対する苛立ち、起伏の激しさ、タバコを持つ指の震え、いきり立った眉。なかなかの演技だったと思う。監督のサム・メンデスはケイトの実生活でのパートナー。夫の前でこういう演技をできるってことの方が、スゴいかも。

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すごい映画でしたねー

こんにちは。

カオリさんが仰るとおり、この夫婦のあり方って極端で非現実的ともいえる最悪の状況に落ちていくんだけど、それでいてそれぞれの立場や気持ちに共感できてしてしまうところが、すごいです。
監督の手腕ですね。

こんな夫婦関係を映画にしたケイトとサム・メンデスの夫婦って、お互いに強い信頼関係があるんでしょうね。
実生活でもケイトはかなり気は強そうだけど…。

2009/01/31 18:07 | りこ [ 編集 ]


こんにちわ

周囲からも理想的な家庭として見られていた二人にしてみればその体裁を保ち続けることもプライドだったのかもしれませんね。パリでの生活するという話も特に目的は感じられず漠然としたものでした。そんな彼らの偽りの幸せを鋭く突いていたのがあの精神疾患の男の言動だったのでしょう。

かなり皆さん反感を持たれてるみたいですけどそれだけリアルな感情を引き出すという点では映画としてはスゴイんじゃないかなって思ってしまいました。

2009/01/29 10:38 | かのん [ 編集 ]


>ミチさん

訪問ありがとうございます!

今でも自分の満足のいくように
好きなように生きることが難しいわけですから、
エイプリルたちの時代ってもっとすごかったんでしょうね。
不完全燃焼の苦しさは理解できる気がします。

2009/01/27 22:14 | カオリ [ 編集 ]


こんにちは♪

TB&コメントありがとうございました!

かなり凄いものを見せてもらったな~という気分になりました。
みんなどこかで妥協したり、折り合いをつけながら生きているのに、それが出来ない人もいるんだな~って。
パリ行きも終始エイプリル主導だっただけに、昇進が決まったらフランクはあっさりと現状維持したがっているのも至極普通の感覚に見えました。
エイプリルもあのような精神状態ではパリに行っても上手く行かなかったのではないかと・・・。

2009/01/27 17:22 | ミチ [ 編集 ]


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「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」レビュー
映画「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、他 *監督:サム・メンデス 感想・評価・批評 等、レビューを含む記事・ブログからのトラックバッ //映画レビュー トラックバックセンター 2009/01/27 04:17

映画 【レボリューショナリー・ロード / 燃え尽きるまで】
映画館にて「レボリューショナリー・ロード / 燃え尽きるまで」 リチャード・イェーツの小説を『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス監督が映像化。『タイタニック』主演の二人が11年ぶりに共演を果たす。 おはなし:1950年代半ばの富裕層が集まるコネチカット... //ミチの雑記帳 2009/01/27 17:17

『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(@「シネマのすき間」)
-----今日はちょっと 紹介するの恥ずかしいニャあ。 なぜってフォーンの顔が あのディカプリオやケイト・ウィンスレットと並んでいるんだもの。 えっ、ニャンの話かって? 火曜日恒例の カタログハウス「シネマのすき間」。 今日の映画は『レボリューショナリー・ロード/ //ラムの大通り 2009/01/28 22:56

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに共演!という宣伝文句はワタシ的には何故かマイナス効果でイマイチ気が乗らなかったんです。ケイトは相変わらずでかいし。ところが監督が『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデスだ... //カノンな日々 2009/01/28 23:23

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